家族への罪悪感

実家がリフォーム中のため、家具の搬出作業を手伝いに行ってきました。

 

大学へ通うのをきっかけに一人暮らしを始めてから、今までずっと実家の外で暮らして約10年が経ちます。

正月、お盆や今回のリフォーム手伝いといったイベントが無ければ基本的に帰省することはありません。

暗い話になりますが、帰省のたびに家族に対する後ろめたさで居心地の悪さを覚えるようになったからです。

 

うちは女系家系で父、祖父よりも母、祖母の影響力が強い家庭でした。

というのも、8人家族でそのうち私含め6人が女。母と祖母、姉2人に大叔母がおり女性が多い空間ならではの独特の一体感があって、父や祖父は仲間外れってほどではありませんが、家庭内で疎まれる存在でした。

父も祖父も空気が読めずへんな絡み方をしてくるので、何か発言すれば女性陣から「あーもううざいうざい。あっちいけー!」みたいな態度でいなされています。

 

祖父は頭が固く昔ながらの頑固じじいで、父の方はおそらく頭になにか障害があるのでしょう。思い返してみれば単純な会話しかしておらず、ときどき意味のわからないことをよく言っていた記憶があります。

責任能力も相当乏しいようで、昔、私が生まれる前の話ですが、車で父と母、姉2人が移動中に吹雪に見舞われ動けなくなったことがあったそうです。

前後も車があり立ち往生していると、突然我慢できなくなったのか、「もう帰る!」と言って母達を残してすたすたとどこかに歩いて行ったのです。

当然、残された幼い姉たちは大泣き。その後どうなったかは忘れましたが、その話を聞いたときは

あの父親ならやりかねないな…

と、普段の父の態度や発言などから妙に納得できる部分がありました。そういうちゃらんぽらんな性格の父です。

 

そんなわけで、うちの男性陣は相当嫌われていましたし、私も特に父親のことは父親と認めたくないほど嫌っていました。

なので、父や祖父がぞんざいに扱われているのは普通だと思って過ごしてきたのですが、いつぞや大人の発達障害のことを知り、そこでようやく父がそうだったのではないかと気づきました。

父が悪いわけではなく、今までの行動は脳の特性が原因だったのだとしたら、どれだけ悪いことをしてきたのだろうと考えるようになっていました。

おそらく祖父も同じく何かしらあると思います。

 

母や姉にも聞いてみると、十中八九そうだろうとみんな気づいていました。しかし、みんな「だから何?」という反応です。

誰も、父や祖父に対して申し訳なさとか、ちゃんと診断してもらってコミュニケーションを取れるようにアドバイスをもらおうとかそういう意思はなく、今さらそういうことは求めていない、とのことです。

 

それを聞いたとき無性に虚しくなりました。

確かに、会話も成り立たないことが多かったですし、特に父はいるだけで不快感を与える人間でしたが、理解があれば180度見え方が変わってくると思うんです。

それでも姉は「今さら分かったところでムカつくもんはムカつくで」と。

なんでそんなに冷徹になれる。

 

母や姉たちに対する軽蔑と失望感

父や祖父に対する申し訳なさ

そして何より、具体的に行動するわけでもなく、ただただそんな家族が見たくなくて逃れるよう過ごしてきた私自身に対する嫌悪感

 

これらがごっちゃになったまま、今の今まで過ごしてしまいました。

本当に問題だと感じているなら、家族が大事なら、逃げずに私が何とかしなければいけないのに。

家族に会うたびに胸が詰まる。

 

私だけ問題だと感じている。

私だけ本当は家族のことが嫌い。

私だけ家族ではない。

そんな気持ちを隠して、また正月休みで帰省するときも、仮面を被っていつも通り表面上の仲良し家族を演じるのでしょう。